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「あなたって、雪みたいだね」
僕はこの言葉を聞いた瞬間に、彼女に心全てを奪われた。
その一言で、見えていた世界が180度変わっていった。
でも、この時の僕はまだそのことに気づいていない。
この出会いが、もたらす嘘のような結果を知らない。
それは無数にある星の中に新しい星を見つけた喜びであるかのようでいて、大都会の真ん中に隕石が落ちた災害のようでもあった。
雪が町全体を白く染めるほど降りしきる中、僕は一人オレンジのヘッドホンで音楽を聴きながら歩いていた。
僕は大学を卒業してからすぐに、一人暮らしを始めた。
一人で生活することにひたすらに憧れていた。
今の自分がどれぐらい生活できるか試してみたかった。
早くもっと立派な大人になりたいとも思っていた。
親と仲が悪いわけではない。むしろ同じ二十五歳の他の人と比べると仲がいい方だと思う。
お父さんもお母さんも頻繁に電話をかけてくる。
もちろん僕からかけることもある。
僕はそれを面倒なこととは思わなかった。
親からすれば心配なんだろうけど、僕はその気持ちを素直に受けとってたくさん話しをすることが楽しいと感じている。
心がじんわりと暖かくなった。
どうして親のことを考えると暖かい気持ちになるのだろう。
僕はそれについて考えたこともなかった。
クリスマスのイルミネーションがあちこちで光りをもたらしている。
空を見上げ、息を吐いた。
白くなる息を目で追いながら、星が見えたらなと僕は密かに思った。
でも、この都会では星はほとんど見えない。
そもそも雪が降っているのだから、星が見えることはない。
綺麗に飾り付けられた電飾は、どこかもの悲しさを連想させた。
ぴゅーっと強い風が吹いた。
僕は黒のコートを着て、マフラーに手袋もしている。
それでも弱く細い僕の身体は、すぐに芯まで凍えるように寒くなる。
僕は寒さに対する抵抗力が著しく低い。
冬になると僕はいつも震えている。
不思議なことに、いくら防寒しても寒さは僕にとっては痛みであり決して消えなかった。
だから、やはり抵抗力の問題だと思う。
僕は様々な外敵から身を守る力が欠けている。
そんな欠陥品のような僕を、愛することはとてもできない。
何か目的があって、外に出てきたわけではない。
ただ、なんとなく一人で町中を歩きたいと思った。
普段はこの辺りは人であふれている。
僕は人混みが苦手だ。
たくさんの人の顔や表情が一気に目に入ってきて、あらゆる声が選択されることなく僕の耳に届く。
それは小さなパニックの連続で、恐怖でもある。
だから、ただそこにいるだけで疲れてしまう。
それでも全く外出しないなんてことはできないから、いつも我慢している。
我慢できるレベルのことではないけど、どうしようもできないから諦めているという方が正しいかもしれない。
今日の町は静かで、いつもより少しだけホッとすることができた。
こんな時間がずっと続けばいいのに。
その時だった。
目の前に一人の女性が立っていることに気づいた。
その女性はゆっくり僕の方に歩いてきた。赤い服を着ていて、まるでプレゼントを配っているサンタのようだ。
街に溶け込んでいるようで、どこか異様さがある。
彼女は、「あなたって、雪みたいだね」と笑った。
スマホが鳴っていた。ちらっと見るとお母さんからの電話だった。
でも僕はなぜかはわからないけど、その電話に出ようとは思わなかったのだった。
二十年後。 僕は四十五歳になっていた。 今日はあるところに向かっていた。「しおり、美月。着いたよ」「もう着いたの?」 しおりは眠そうに目をこすっていた。「お母さんまた寝てたの?」「ついうとうとしちゃって」 二人の会話を聞いて、僕はほっこりとしていた。「少し遠かったからね」「お父さんはお母さんに甘いなあ」 美月が僕のことを見て、少しあきれていた。 僕はその姿を見て、笑った。 僕たちは星がよく見えると有名な長野に来ていた。 しかも、長野はよく雪が降る地域だ。 満天の星空の中、降る雪は美しいだろうと思ったのだ。 それを美月と一緒に見るためにここに来た。 僕は二十年前のあの約束を忘れていない。一度たりとも忘れそうになったことはなかった。 美月と別れてから数年後、僕は本当に大金を手に入れた。 でもお金に惑わされず、自分を見失わなかった。 それは信じるものが僕の中にしっかりあったからだ。 全部美月が僕に教えてくれたものだ。 それを忘れることなんて僕にできるはずがない。「星を見に来たんじゃなくて、雪を見に来たんだよね?」 美月が僕の隣に来て話しかけてきた。 二十年前は親子という感じではなかった。 今の僕は立派なお父さんになれているだろうか。 少しだけなれている気がした。「うん、そうだよ」「あの時の約束覚えてくれていたんだ」「当り前じゃないか」 僕が笑うと、美月は突然泣き出した。 僕はおろおろと心配になってきた。 僕の心配性はいくつになっても変わらないようだ。「こんな未来が来るなんて、あの時は想像できなかったから。今もお父さんと一緒に居られて本当によかった。お父さんありがとう」 僕は美月を優しく抱きしめた。 その時、雪がひらりと舞い落ちてきた。「あっ、雪」「本当だ。お母さんにも教えてくるね」 彼女はもう泣き止んでいた。 彼女もしっかり強い心を持っているなと僕は安心した。 儚くも強さももった雪を見ながら、僕は僕のもとに駆け寄ってくるしおりと美月をこれからも大切に守っていこうと誓ったのだった。
今日も雪が降っている。 雪はいつ見ても本当にきれいだ。 僕の心を癒してくれる。 彼女が未来に帰る日が来た。「私のやるべきことは終わったし、未来に帰るよ」 僕は寂しかった。 彼女といる時間は最初は戸惑ったけど、楽しいものに変わっていったから。 できないことはわかっているのに、離れたくないと思った。 そんなわがままを言ってもいいのだろうか。「あっさりしてるね」 僕は結局少し意地悪な言い方をしてしまった。 それでも僕の気持ちは少しは伝わると思った。「まさか、娘に恋をした?」「そうじゃない!」 僕は見当違いの言葉に少しムッとした。「そうだよねー。うん。ちゃんと言葉の意味わかってるよ。私も寂しいよ」 彼女は空を見上げ、涙をこらえていた。 彼女はずっと一緒にいられないことを最初からわかっていた。 僕たちは違う時間を生きているのだから。 限りある時間をずっと僕のそばにいてくれた。 彼女は最初からずっと僕のことを考えてくれていた。 必ず別れはやってくる。 そう自分に言い聞かせても、やはり受け入れるのは辛かった。彼女といた時間が僕にとって刺激的で幸せだったから。 降り続ける雪が彼女を光り輝かせる。 雪。 僕はその時あることを思い出した。「そういえば、初めて会った時、『あなたって、雪みたいだね』と言ったよね? あれはなんだったの?」 ずっと気になっていた。 でも、聞くタイミングを逃していた。 それで彼女に夢中になり、僕は変われたといっても過言ではない。 今聞かないともう聞くことができなくなる。 彼女はこちらを向いて涙を隠すように満面の笑みになった。「雪は小さくて頼りない。どこかにいってしまいそうなぐらいはかなくて弱い存在。雪はそんな風に思われがちだけど、本当は強い意志をもっている。だってこんなに人を感動させて、一瞬で世界も変えてしまえるのだから。私はあなたにそんな強さを出会ったときに感じたのよ」「そういう意味だったのか」 僕はわかってすっきりしたのと、その時から彼女に元気をもらっていたのかと気づいた。 僕は彼女にしてもらってばかりで何も返せていない。 何かしたいと思うのに、もう時間がない。「そうよ。信じるものを見つける前のあなたに感じたのよ。だから、あなたは大丈夫」 また彼女に励まされた。 僕は今の彼女に
「私が信じるものは家族だった」 そこで彼女は遠慮がちに僕の方を見てきた。 彼女はとても気の使える人だと今ならわかる。 僕の気持ちを考えてくれているのだろう。「その前に、あなたの妻となる人が誰か知りたい?」 僕は少し考えた。 気になる気持ちと未来を知っていいのかという気持ちで揺れた。 でもこれも彼女を知るために必要だと思った。「教えてほしい」「あなたの妻となる人は、しおりさんよ」 僕は驚いた。 なぜならしおりとの関係を壊したのは彼女だからだ。 僕の行動によっては、未来が変わり自分はそもそも生まれないことになっていたかもしれない。 そんなリスクを冒してまで、僕を変えるために未来からきてくれた。過去に来ることは、彼女にとってメリットなんてなかったのかもしれない。 それなのにわざわざ来てくれた。 彼女の覚悟は相当のものだっただろう。 そして、僕は幸せな気分になった。 最近付き合い始めたしおりとこのままうまくいくことが正直嬉しかった。「信じるとは、言葉だと私は思っていた。言葉は相手の心を表すものだから、言葉を交わせば人はわかり合えると思っていた」「信じるとは言葉か」 彼女が信じるものは何で、信じるとはどういうことか知ることができた。 それは今後僕が生きていく上で、きっと役に立つ。 色々な考え方を知ることは、僕の考え方を深めることになるから。「でも、あなたは変わってしまって、私になんて興味をもたなくなった。話しても答えてくれない。そして、会話がなくなった。それが私にはどうしても受け入れられなかった。向き合ってあなたを変えることもできたはずだった。言葉なんていくらでもある。でも私は逃げた」 僕はなんと言葉をかけていいかわからなかった。 今でも彼女ははこんなにも苦しんでいる。 ただ彼女の手をそっと握った。 言葉以外でもきっと人を安心させられるから。「それから、親と連絡を絶つようになった。もう何も信じないと決めた。しばらくしてからお母さんが私を探し当てた。あなたが壊れてしまったと言われた。私は変わり果てたあなたを見て、なんで最後まで信じてあげなかったのだろうと強く自分を責めた。一番辛い時に家族である私がそばにいてあげなかったことを後悔した。信じると決めたものを信じないで私は何をしているんだと思った」 そこで彼女は頭を下げた。
僕は彼女に話があると声をかけた。 ソファーで二人で座り、話するのが僕たちの普通になってきていた。 親、SNS、しおりから話を聞いて、僕は自分の中で信じることについて答えを導き出すことができた。 それは、すべてのことが重なりあって出来上がったものだった。 僕の中で光りが生まれた瞬間だった。「美月、信じるものが見つかったよ」「本当に? どんなもの??」 彼女は目をキラキラさせて僕の方にやって来た。 今思えば、彼女は僕のことを信じてくれていた。 僕が信じるものを見つけることを、信じて待ってくれていた。 そう思うとふとある考えに至った。 もしかして、彼女が最後まで信じることができなかったことは、親との関係性だったのではないだろうか。 つまりは、変わっていく僕を信じることができなかったのではないか。 それを後悔して未来からやって来たとしたら⋯⋯。 僕は頭を切り替えて、話し始めることにした。「信じるものは愛する人。そして信じるとは、信じると決めた人や物と、共に歩む覚悟を持つことだ」「もう少し詳しく聞かせて」 彼女は真剣な顔をしていた。 僕は言葉をうまくまとめてしゃべるのが得意ではない。でもなんとか伝えたいと思った。「信じると言っても、すべての人を受け入れる必要性はないと思った。信じるか信じないか判断する目が必要で、自分がしっかり守れるだけの人でいい。そして、信じるということはまずは自分をさらけ出すことから始まる。次に、ただ相手の言っていることをそのまま受け入れるのではなく、相手がもし間違えていたらちゃんと意見が言えることとそれを許すことだ。そして、口先だけだけなく、一緒に最後までその問題に向き合って、ともに行動することだと決めたよ」「すごく素敵。それならきっとお金を手に入れても支配されないわ」 彼女は満面の笑みで僕に抱きついてきた。僕も嬉しくなって抱きしめ返した。 やっと彼女が心から笑ってくれたから。 人はなぜ何かを信じるのだろう。 信じなくても生きていくことはきっとできる。 信じるものが何かという明確な答えもない。 簡単に見つかるものでもない。 でも、信じるものが僕たちに大切なものが何か改めて教えてくれる。 大切なものを知るためにそして守るために、僕たちは信じるのかもしれない。 信じるとは、自分の中で何かを大切にし
最後にしおりとの関係性だ。 僕はしおりにたいしてどのように思っているのだろう。 もう一度考えてみることにした。 僕には考えることが多すぎて、時間はいくらあっても足りない気がしていた。 僕の中でしおりを思う気持ちはどれくらいの割合を占めるのだろう。 よくしおりのことを頭に思い描く。 しおりに会うと心が暖かくなる。 それはあまりにも当たり前になっていて、今まで気づかなかったことだった。 人はどうして特別なことをいつの間にか普通なことと思ってしまうのだろう。 僕にとってしおりは大切な人で、これから先も一緒にいたいと思える人だ。 僕の中でしおりを思う気持ちは大部分を占めていることに気づいた。 どうしてこんなにも熱い思いを今まで信じてこなかったのだろう。 僕は彼女の言う通りで、つくづく何も信じていなかったようだ。 自分自身の感情ですら信じられていないのだから。 そして、SNSで教えてもらった信じるとは『自己開示』という考えを思い出した。 僕はこの気持ちや思いをしおりに伝えたことがなかった。 しおりにすぐに連絡した。 すぐに伝えたい、伝えなければいけないと思った。 まだしおりの気持ちは離れてしまっていないだろうか。 その日の夜に、僕たちはいつも行くカフェで待ち合わせをした。 時間的にどこかのレストランの方がよかったんだけど、僕は初めて行くところはあまり得意じゃない。だから、いつも行っているところにした。 待ち合わせ場所に来た時、しおりはぎこちない笑顔を浮かべていた。 カフェはあまり人が入っておらず静かだ。「しおり、この前は突然ごめんね。実はこういう理由があったんだ」 僕は、しおりに包み隠さず彼女の話、僕の未来の話をした。 僕が話したいと思った。 全てを伝えないとしおりは納得してくれないだろうから。 しおりはしっかり聞いて、受け止めてくれた。「そういうことだったのね。私勝手に勘違いしてごめんなさい」 僕のせいなのに、しおりは謝ってくれた。 しおりは本当に優しい人だ。 僕はこの人を大切にしたいと深く思った。「いや、僕の方こそいつも一方的でごめん。それに普通はわからないことだし。そして、僕はしおりに自分の気持ちを今まで言ってこなったと気づいたんだ。聞いてくれるかな?」 どうしよう。胸のドキドキがどんどん大きくなって
次はSNSの関係性だ。 僕は前に投稿した文章について謝罪をした。 あれは嘘の投稿だったから。さらに言うなら、あの投稿を見た人がどんな気持ちになるか、僕は考えが甘かった。 自分本位な投稿だと今ならよくわかるから。 彼女がソファーに横になりながら、「何か手伝おうか」と聞いてきた。 彼女は最近前よりもよく話しかけてきてくれる。 僕のことを心から心配してくれているのが伝わってくる。 それだけで僕は十分だった。 パソコンで投稿していたので、隣で一緒に見ていてほしいと僕は言った。 彼女に対しても、自分の気持ちをもっとしっかり言おうと最近思うようになった。 「いいよ。コーヒーいれてきてあげる」と彼女は立ち上がり笑ってくれた。 前の投稿を思い出しながら、僕は苦しくなっていた。 彼女は僕にあえて苦しくなる体験をさせたのではないだろうか。 彼女ならそこまで考えてしていた可能性もある。 人の気持ちを知ることは苦しい。 人の気持ちを知ることに痛みを伴うなんて今まで知らなかった。 僕は今まで人の気持ちを知ったつもりでいただけかもしれない。ただ都合のいい部分だけを見て、仲良くしていると勘違いしていただけだ。 誰もが優しいわけではない。 人それぞれ色々なことを考えている。 それは時として、僕に対して攻撃的で厳しい言葉の時もある。 向き合えば傷つく。 でも傷つかなければ、相手を知る事なんてできない。 それが人とかかわり生きていくことなのかもしれない。 僕はやっとそのことがわかった。 そして、僕はどうしてあの時もっと声をあげなかったのだろう。 SNSの人たちを信じている。 そうであるなら、助けに来てくれなかったら、もっと強く自分を主張するべきだった。 これが本当に緊迫した状況だったらどうなっていたのだろう。 そう考えると恐ろしい。 僕は嫌われるのが怖くて、思っていることを言えなかったと気づいた。 優しくしてくれているからその気持ちに甘えているだけで、自分のことは何も伝えていなかった。 僕が相手を遠ざけていた。 自分のことを何も言わないで、相手が僕のことをわかってくれるだろうか。相手が僕と仲良くしたいと思うだろうか。 そんな都合のいいことはないだろう。 そもそも僕はどうして全て他人任せなんだろう。 自分から動かなければ何も変わら
絶対と言えるものはなんだろうか。 僕は前に彼女に言われたことについて考えていた。 僕はこのような哲学的なことを考えることは別に好きではない。 でも考えずにはいられなくなっていた。 それは人によって異なるのだろうか。それとも同じなのだろうか。 同じではない気がした。 僕が絶対的に信じているものとしてぱっと浮かぶものは、親の子を思う愛だ。 愛とは本当に尊いもので、それだけで信じるに値する。 親は子どもを裏切らないと僕は心から信じている。 それは時に盲目的になることもある。それでも子どもを思っていることは確かだ。 無償の愛と呼べるものではないだろうか。 僕は一人っ子だ。
「美月さん、壊すってどういうことですか?」 僕はこの状況を理解することができなかった。 頭の中がプチパニックになっていた。 僕はちょっとしたことですぐにパニックになる。 そもそもどうして彼女は毎回僕のいる場所がわかるのだろうか。 さらにはいつも突然現れて、意味深なことを言う。 彼女は笑っていた。とても無邪気に笑っていた。 それはさっきの言葉と似合わない表情でちょっと怖かった。 無邪気すぎるのも、怖く感じるのだと僕はこの時初めて知った。 赤と白のニットのワンピースを着た彼女は天使だろうか、それとも悪魔だろうか。 しおりもあからさまに動揺していた。 知らない人が現れていきな
僕は基本的に一人を好む。 その理由は、人の気持ちがわからず相手とうまく話すことができないからだ。 そんな状態で話していても、僕だけじゃなく相手も楽しくないだろうと思う。 そんな僕にも、信じられる友だちが一人いる。 その人は女の人だ。 星宮 しおりという名前で、僕と同じ年だ。 幼稚園からずっと一緒だから、長い付き合いになる。 女性らしくありつつ明るくて、お話をするのも聞くのも好きな人だ。 僕は男の人より、女の人の方がなんだか話しやすく感じる。 男の人は少し怖いイメージがある。 それになぜか女の人の方が、話が色々合うということが多い。 しおりと今日は会う約束をしている。
ごくありふれた日常でも、ドラマチックに変わることがあるんだと僕はその日感じた。 深夜、コンビニに僕は来ていた。 トイレの電球が切れていることに気づいたからだ。 大概こういうことに気づくのは夜遅くだ。 僕は重い腰を上げて、コンビニに向かった。 今夜は雪が降っていない。 それでも風は吹いていて、寒い。 コンビニはこの時間帯は人も少なくて、僕はホッとした。 コンビニ内は静かで、クリスマスソングが店内で流れていた。 少し楽しい気分になって、僕は何か新商品がないか店内を探し始める。 その時、スマホから優しい通知音が聞こえてきた。 その音を聞いて、「あっ、僕は電球を買いに来ていたん







